私がテープ起こしの仕事を始めることになったきっかけは、テープ起こしを個人事業で営んでいた知人に仕事を回してもらったことです。脱サラしたはいいが、収入がほとんどなくてアルバイトで生活費を稼いでいたときに声をかけてもらいました。
どんな仕事かと聞くと、「録音された音声を聞いて、その内容をパソコンで文字を打って原稿にする」、そんな説明だったと思います。
実際に仕事をやってみると確かにその通りでした。
でもね、、、
作った原稿がこれでいいのか、ものすごーく不安になっちゃいました。
それまでに本や雑誌などの編集の仕事をしたことがある人なら気にならないと思いますが、私はそういった仕事は全くの未経験。会社勤めのときに資料を作ったことはあります。でも、文章で句読点「、」(読点)や「。」(句点)をどこで入れればいいかなんて意識したことがありませんでした。
「何とかでかんとかで、そしてそうなったと思ったら何とか、と思っていたら誰々からこう言われてさあ、俺もそんな感じでやってみたら意外とこうで、改めて考えてみたら」などと延々と文章の区切りがなく話す人もいます。
とりあえず知人に原稿を渡すと、後から手直しをして納品しておくということでした。
そんな感じで不安を抱えながら次々に回ってくる仕事をこなしていました。
テープ起こしに教本は必要か
私がそれまでに経験していた仕事は、企業向けのソフトウェア開発でした。新人のときには、会社が用意してくれたプログラミング研修を受講しました。それ以外にも周りの先輩に教えてもらったり、本屋で本を買ったりして勉強しました。
テープ起こしの仕事を始める人は、どうでしょうか。
私のように、いきなり本番の仕事を始めるという方も多いのではないかと思います。
テープ起こしの仕事は、何らかの事情があって自宅で仕事をしたいという方が始めるケースが割と多いです。わからないことも基本的には自分で解決しなくてはいけません。
私の場合はパソコンを使うのは慣れていましたので問題ありませんでしたが、先ほどの「、」の打ち方や文字の表記の部分でよく悩みました。
テープ起こしの教本があった!
ネットでテープ起こしライターの方が公開しているブログを見たり、表記の本などを買って読んだりして、何とかテープ起こしの仕事を続けていきました。
断片的な情報ばかりなので若干の不安はありましたが、まあ1年ほどしたら自分なりにコツはつかめてきました。
そんなある日、仕事の合間にAmazonのサイトを見ていたら偶然に『「テープ&音声起こし」即戦力ドリル』という本を見つけました。
あっ、こんなのがあったんだ・・・
既にテープ起こしでは自分なりのスタイルができていましたが、2,000円弱という手ごろな値段だったので買ってみました。
CDが付いていて、練習用の音声ファイルも23ファイルも収録されています。ドリルには解答例もあります。
この本にも書いてありますが、テープ起こしには絶対的な正解というのはありません。とはいっても、テープ起こしの初心者にとっては文字の表記、読点(、)の位置などで悩むことが多いので、解答例があったほうが助かるんですよね。
これはテープ起こし初心者には、かなり心強い教本になると思います。
注意点としては、付属CDに入っている体験版ソフトや本の中で紹介されているパソコン操作等はWindows用になっていることです。MAC(Macintosh)のパソコンをお使いの方は注意してください。ただし、本で紹介されているパソコン操作の部分はそれほど多くないです。文字の表記やケバ(「あのー」「えーと」といった意味のない言葉)の取り方などテープ起こし作業を進める上での具体的な考え方、注意点などが豊富に記述されていますので、パソコン操作以外で参考になる部分が多いです。付属CDに入っている練習用の音声ファイルはmp3形式となっています。
その後、さらに新しいドリルも発売されています。同じ著者でタイトルも似ていますが、「本書教材は全て新しく、内容もほぼ書きおろしです」とのことです。
私は下の本は購入していないので内容はわかりませんが、今後購入するなら下の本のほうがいいかもしれません。