タッチタイピングとは、パソコンのキーボードで文字の刻印を見ることなく指先だけの感覚でキーを押すことをいいます。
以前はブラインドタッチと呼ばれていましたが、現在ではタッチタイピングという呼び名のほうが主流となっています。
私がパソコンを使い始めたのはWindows98が発売される少し前のことです。その数年前にWindows95が発売されたときは日本でもかなり話題となりました。テレビやCM、雑誌でも多く目にすることがあり、私も興味を持ちました。
IBMのAptivaというミニタワー型のパソコンを手に入れて、雑誌を読みながらインターネットに接続したのを覚えています。今だとわからないことは簡単に調べることができますが、そのインターネットにつなげること自体が一大イベントでした。
キーボードのタッチタイピングどころか、マウスさえ思ったように動かすことができずに悪戦苦闘していました。
初めてタッチタイピングを目にする
Windows95以降、パソコンは急速に普及していき、仕事でもパソコンを使うことが普通になりました。
あるとき大学生時代の友人に久しぶりに会うことになり、居酒屋で一緒に飲みました。その後の流れで友人の家に遊びに行くと、ノートパソコンが置いてありました。
友人は商社に勤めていて、ちょっと仕事をしなくてはいけないということで、ノートパソコンを開いて携帯電話を接続してインターネットにつなぎ、キーボードをタッチタイピングでパチパチと軽快に叩きました。
そのころは高価だったノートパソコンを使っていたのも驚きでしたが、画面を見ながらタッチタイピングで文字を入力する姿は衝撃的でした。
すげえ、かっこいいー!
できるビジネスマン、そんな感じでしたね。
左右3本ずつの指を自己流に使い、画面とキーボードを交互に眺めていた自分には別世界の話でした。
テープ起こしでタッチタイピングは必要か
そんな私もついにタッチタイピングを覚える日が訪れました。それはテープ起こしという仕事に出会ったことがきっかけです。
私がテープ起こしの仕事を始めた初日にタッチタイピングは必要だなと感じました。
それまでの仕事でもパソコンは頻繁に使っていましたが、マウスを使ったり、インターネットで検索して調べたり、どのような文章を入力するかを考えたりする時間も多かったので、タッチタイピングができたほうが便利だけれども、できなくても困るというほどではありませんでした。
しかし、テープ起こしはキーボードを叩いて文字を入力していくことがメインの作業となります。パソコン画面で入力された文字を見たり、キーボードを見て文字を打つということを交互にしていると時間もかかりますし、結構疲れます。
私はテープ起こしの仕事をするために、十数年も続けた自己流タイピングを捨てることにしました。特にこだわりがあって自己流を続けていたわけでもなかったので、あのタイミングでタッチタイピングを覚えて良かったと思っています。
タッチタイピングの覚え方
最初はタイピングについて解説しているサイトで、ホームポジション、指の位置などについて確認しました。左手の人差し指はFキー、右での人差し指はJキーに置くのがホームポジションで、キーを打った後はまたホームポジションに戻す。FとJのキーには指で確認できるように他のキーとは違う引っかかりがあります。
タイピングの正しいセオリーがわかったところで、ソースネクストから発売されていた「特打」というタイピングゲームソフトを購入しました。キーボードで文字を打っていくと主人公のガンマンが銃を撃っていくというシンプルなゲームで、タイピングの勉強ではなくゲームをプレイする感覚でタイピングを習得できたのが良かったです。このゲームのおかげでタイピングの面白さを感じることができました。
「特打」は今でもAmazonからダウンロード版を購入することができますが、残念ながらソフト自体が最近のOSに最適化されていないようです。
これからタイピングの練習をするのなら、e-typingというサイトがおすすめです。
e-typing
ウェブサイト上で無料で練習でき、入力する文章もバラエティーに富んでいます。1日30分を1カ月も続ければ、かなり上達するはずです。
上のほうで、テープ起こしの仕事は文字を入力するのがメインの作業だと説明しました。実はそれと同じくらい重要になるのが音声ファイルから発話を聞き取るという作業です。
できるだけ聞き取りの作業に集中できるように、早めにタッチタイピングは覚えたほうがいいと思います。