現役テープ起こしライターの文字太郎が、テープ起こし未経験・初心者の方に役立つ情報をご紹介していきたいと思います。

テープ起こしライターへの道

本・ソフト

表記について

投稿日:

私自身もそうなんですが、最近は漢字は読めるけど書けない人が増えてますよね。パソコンを使っていれば簡単に漢字変換できますし、携帯電話やスマホなどの漢字変換能力も上がってきています。実際に手書きで文書を書くときは漢字を忘れて困ることが多いですが、メールなどで文章を打つときは漢字変換を使って悩まずに文章を入力できます。

テープ起こしの仕事を始めてから悩むことが多いのは漢字などの表記じゃないでしょうか。お客さまの要望により表記のルールが変わることもありますが、テープ起こし業者さんから仕事をもらうときは『記者ハンドブック 新聞用字用語集』の表記に合わせることを要求される場合が多いようです。お客さまに安定した品質の原稿を提供するために、何かしらの基準が必要となってくるためです。

私も『記者ハンドブック 新聞用字用語集』は持っています。「むりやり」はパソコンで漢字変換にすると普通は「無理矢理」になると思いますが、「無理やり」と表記します。初心者のころは、この本を何度も開いてはキーボードを打っていましたが、どうしようと悩むことも多かったです。「かえる」「変える」「代える」「換える」「替える」の表記の違いについては、何度も用語集を読んで確認しました。

実際にテープ起こしの作業をしていると、『記者ハンドブック 新聞用字用語集』に収録されている「用字用語集」に登録されていない言葉も頻繁に出てきます。ライター・編集の仕事をしたことがある方だったら普通にわかることも多いと思いますが、そういった仕事を全く経験したことのなかった私にとっては、非常に大変な作業となりました。

その後、日本速記協会から発行されている『標準用字用例辞典』を購入しました。『記者ハンドブック 新聞用字用語集』と表記が異なる部分もありますが、『記者ハンドブック 新聞用字用語集』と比べて収録されている用語の量が圧倒的に多いです。『記者ハンドブック 新聞用字用語集』にない用語は『標準用字用例辞典』から調べていました。価格が約4,000円とやや高額だったのですが、私はテープ起こしの作業をする上での安心料としては安いと判断して購入しました。

『標準用字用例辞典』はAmazonで購入することができなかったので、日本速記協会のホームページから購入手続きをしました。
公益社団法人 日本速記協会 出版物

他の表記で悩むこともありました。漢数字で表記したほうがいいか、アラビア数字で表記したほうがいいか。単位についてはカタカナ表記がいいか、cmのように欧字の記号にしたほうがいいか。括弧があったときの句読点の位置をどのようにつけたらいいか。そこら辺については日本エディタースクール出版部から発行されている『日本語表記ルールブック』を参考にしました。

前述した通り、私はライターや編集の仕事に携わった経験は全くありません。言葉の表記についての考え方についてわからないことが多かったので、『日本語を知る・磨く ことばの表記の教科書』という本を購入しました。「サボる」「サボル」「さぼる」はどれが正しいか、「受付」「受け付け」「受付け」はどれが正しいか、「1つ」と書くのは正しいか、といった表記をする上での考え方として非常に勉強になる項目が多かったです。

表記については奥が深く、調べれば調べるほどかなりの時間がかかってしまいます。私がテープ起こしの仕事をしたのは、テープ起こし事務所を経営していた知り合いから仕事をもらったのが最初です。その後、比較的早い段階で自分でも開業したので、表記については独学で勉強しました。

このサイトをご覧の方でテープ起こし未経験者の方は、最初にどこかのテープ起こし業者さんから仕事をもらうことになる場合が多いと思います。表記については、テープ起こし業者さんごとにルールや用語集等があると思いますので、まずはそちらをご確認ください。

-本・ソフト

Copyright© テープ起こしライターへの道 , 2025 All Rights Reserved.